胎毛筆

赤ちゃんが初めて散髪した髪の毛で作る筆のこと。
お母さんのお腹の中にいた時に生えた髪の毛で作るから胎毛筆というらしい。子どもの誕生記念やお守りとするものだ。

私の年代なら「へその緒」の意味合いといっしょなのかもしれない。

昨年、友人のYちゃんが長女Kちゃんを出産した。令和元年生まれの命名書を依頼され、ずっとKちゃんの成長ぶりを見せてもらっている。何をしても可愛らしいのは言うまでもないが、子供の成長って本当に力強いものだとあらためて感心。ほとんど親戚の気分になっている。

先日Yちゃん夫妻から、胎毛筆について、どういう準備が必要かという相談をうけた。私自身詳しくは知らなかったので、行きつけの筆屋さんに問い合わせてみた。

通常、生まれて半年〜2年くらいの初めてハサミを入れる髪の毛で作るそうだ。頭頂部・側頭部の髪の毛が最適とのこと。

量は髪の毛を束にして直径1cm程度、長さは5〜10cmが目安。

問い合わせたのは老舗の筆屋。職人の手作りで出来上がりまで6ヶ月程度かかるそう。

生まれてすぐの体重計にのせられた小さな女の子の写真が病室からおくられてきてから約一年。健康にすくすく育っている。髪の毛も伸びてきたけれど、今はCovidで帰国もかなわない。Kちゃんは頭のてっぺんの柔らかな髪の毛をリボンで止めて、生まれてはじめてのヘアカットを待っている。

Kちゃんの唯一無二のお守り、おかあさんとKちゃんをつなぐ絆の証。
早くできることを願っている。