《頓兵衛娘於ふね》出版年

今日は《頓兵衛娘於ふね》の出版年の検索について。

まず、今回の検索のポイント。
歌舞伎の外題:神霊矢口渡
仮説とする時期:1847(弘化4)年〜1852(嘉永5)年

この検索は立命館大学のARC番付ポータルデータベースを利用した。
題名を「神霊矢口渡」地域を「江戸」と記入し、上演年を1847年から1852年までを一年ごとに検索した結果、15の番付が全てが1848(嘉永元)年5月のものだった。

15の番付というのは、同じ版木で刷ったものが複数の所有者によって保管されているということだ。

辻番付;1848(嘉永元)年5月3日 4件(うち一件は部分的に書き出したもの)
役割番付;1848(嘉永元)年5月9日 5件(うち椿亭文庫の一枚ものは部分のみ(2頁))*サイト内は「絵本」と誤表記?)
絵本番付;1848(嘉永元)年5月9日 6件
計、15件の芝居番付となる。

ARC番付ポータルデータベースは、演博検索(早稲田大学文化資源データベース)など立命館大学以外の大学や団体ともリンクしている。そのため複数の刷りがある場合、刷りが不鮮明なときや、欠損・欠頁があるときなどにすぐに別のものが閲覧できるので使い勝手がよく、最近はまずこのサイトから調査を始める。上記演劇博物館を有する我が母校も浮世絵の収蔵は負けてないと思うのだが、残念ながらデータベース検索の使い勝手がいまひとつ。進化してほしい。

ということで、この国芳作《頓兵衛娘於ふね》は、1848年嘉永元年の作品ということがわかった。

参考サイト
立命館大学データベース
日本芸能・演劇 総合上演年表データベース(2021年2月16日)
https://bit.ly/2NMroEs
ARC番付ポータルデータベース(2021年2月16日)
https://bit.ly/3s9wVUf