妹背山の謎解き、作戦変更

芳瀧の謎解きについて、今日は違う角度から考えてみた。

ここまで報告してきたとおり、芳瀧の妹背山は改印がなく、現状では役者番付も主要美術館での所蔵の形跡もなく、頼みの綱のデータベースも早稲田大、立命館大とも手がかりなし!
オンライン頼みの私には、なかなか厳しい状況だ。

ここは基本に立ち返り、芳瀧の作品そのものから手がかりを得る作戦に移ろうと思う。

まずこの作品の特徴。

1)登場人物が多い
2)登場人物は役の中のような衣装や小物を持ってポーズをとっている
3)縁側や欄干、その奥には松が見えるなど、劇中の一場面のような背景
4)全体の配色が赤・青・黒を基調としているが、なかでも青が特に多い
5)画面の縁に青と紙の地色を一定の間隔で交互に並べることで四面が縁取りされている
6)画面上部、ツートンの縁取りと一文字ぼかしのあいだに御簾が描かれている。
7)外題、絵師落款、版元とそれぞれの配役・役者名は、全て赤色の短冊状に表示されている

まずは芳瀧作品をしっかり見て、こんな特徴を持つ作品を集めてみるとしよう。