身の三里四方

近隣の産物を売っているスーパーで栗を発見。懐かしのイタリア産だ。

イタリアでは今頃の時期から各地の広場の片隅に炭火の焼栗屋が登場する。日本同様南北に長いイタリア。ミラノとフィレンツェでも味は違うし、南下してシチリアまで移動すると、小粒になって特産の塩をまぶしてあるなど味付けも変わってくる。塩味のシチリア風もまた栗の甘さが際立って美味しい。どこで食べても、甘みやホクホク感が違っても、とにかく美味しいのだ。

パンデミックのさなか海外移動を望んでも無理な話。

現実に戻って、隣町のスーパーマーケット、”できる限り近隣の産物を扱う努力をしている”心意気と、コロナ禍に色々工夫しながら頑張っている様子にはいつも感心している。こちらは感染対策の武装をしながら恐る恐る出かけて行って運良く栗に出会えた。
でも、なぜ輸入?と思ってしまう。

そこで思い出した「身の三里四方の食によれば病知らず」

季節の新鮮な食物を食することが健康を維持する秘訣というのが、昔の人が言わんとしたことだと理解している。1里が約500mとして3里は1.5km。この距離ならば作物が人力で運ばれていた時代でも十分新鮮に届くだろう。

ここまでの近距離とは言わないが、イタリアから輸入しなくとも良さそうなものを…栗の木も多いであろう広大な国なのに、アメリカ産の栗に出会ったことがまだない。

栗好きとしては是非米国産の栗も食してみたい。
と期待しつつ、今夜はイタリアからの遥々来てくれた輸入品を、今年の初物として頂こう。