うつぎ

旧暦の4月は卯月。

卯月(うづき)で思い出すのは「夏は来ぬ」という唱歌にも歌われる「卯の花」。
卯の花はまた「ウツギ(空木)の花」ともよばれる。空木は落葉低木で、主な生息地は日本や中国とのことですが、日本では5月から6月頃に小さな白い花をたくさん咲かせる。

さて卯月(うづき)といえば、ウツギ。「打つ木」、砧。

以前、国芳作の《六玉川 摂津国擣衣の玉川》で子供をおぶった女性の砧打ちが描かれていた。この作品にはウツギの花は登場しない。ほかの絵師の「六玉川 摂津」を題材としたものも背景に紅葉やススキ、秋の和歌など秋の気配が描かれている。

つまりこれらの浮世絵は「秋の季語 砧」という文学的な流れから描かれたもので、ウツギの花との関連は取り上げていないということ。

4月ー卯月ーウツギー打つ木ー砧

そう簡単には繋がらない。