「相撲」の意味

今日のテーマは相撲という言葉。

相撲は長い歴史を持ち日本独自のスタイルを有する格闘技として、海外でもよく知られている。私には全く未知の世界だった。そんな私が海外で”相撲の意味は?”と訊かれて絶句。

以下、コトバンクの日本大百科全書ーニッポニカによる説明の一部だ。

インドでは、悉達多(しっだるた)太子(釈迦(しゃか)の幼名)が相撲に勝って姫を得たことが、釈迦一代記の『本行経(ほんぎょうきょう)』にみえる。この経本を409年にインド人が漢訳したとき、梵語(ぼんご)のゴダバラを「相撲」という新語で表現し、これが6世紀中ごろ日本に伝来すると、以前からあった「争い」「抵抗」などを意味する大和(やまと)ことばの動詞である「すまふ」に当てはめ、やがて「すまひ」の名詞に変化し、のちに音便化していまの「すもう」になった。

漢訳で誕生した「相撲」という漢字は、大和言葉で「争う」などの意味を持つ「すまふ(すまう)」「すまひ(すまい)」を日本語の“読み”とし、年月を経て発音の便宜性から、現在の「すもう」となったとのこと。

これらの大和言葉を古語辞典で引いてみた。

「すまふ」は、力で抵抗する、強く断るという意味を持つ自動詞「争ふ・拒ふ」、名詞が「すまひ」とある。「相撲(すまひ)」の語釈には「二人が素手で組み合って闘う競技」とのこと。

最後に漢字の方。
「相」は「互いに」「ともどもに」「2つの物事が互いに関係しあう」という意味。「撲」は「うつ」「うちあう」「なぐりあう」「たおす」など。2つの漢字「相撲」で、「互いにうちあう」。

たしかに相撲そのものだ。相撲のような道具を必要としない格闘はギリシャ・ローマ神話にも度々登場するし、古くから世界中でおこなわれたスポーツだろう。それにしても相撲の語源がお釈迦様とつながるというのは驚きだった。

インド人による釈迦一代記の漢訳は409年で日本は古墳時代。日本史上の仏教伝来は6世紀飛鳥時代。漢訳と日本伝来までにかなりの時間差あったはず。

母国の文化を訊かれて答えられないのはやっぱり恥ずかしい。異文化の視点からの疑問に本当に学ぶことが多い。

たまにはNHK Worldの大相撲を見てみよう!

<参考文献>
大野晋 2011「すまひ」「すまふ」『古典基礎語辞典』角川学芸出版 p.658c – p.659a
貝塚茂樹他 1595「相」『角川漢和中辞典』角川書店 p.756d
貝塚茂樹他 1595「撲」『角川漢和中辞典』角川書店 p.450c

<参考サイト>
池田雅雄・向坂松彦 2019「相撲」『コトバンク 日本大百科全書 ニッポニカ』https://kotobank.jp/word/相撲-85069(9/28/2021 閲覧)

チャコールチップ

観葉植物用の炭の話。

日常をともにする観葉植物は家族も同然。可能な限り長生きしてほしい。そして、丈夫で育てやすいといえばポトスとサンセベリア。切り落としたものを水栽培にしてもどんどん増える。

水栽培で一番の問題は水の濁り。一緒に入れている装飾用の小石もすぐに水垢まみれ、しかもヌルっとなって気持ちが悪い。

そこで思い出したのが備長炭だ。炊飯や浄水につかうものなら植物にもいいかもしれない。

近所の観葉植物ショップには取り扱いがなかったが、お店の人もチャコールチップはハイドロにも土植えの鉢にもとてもいい!と太鼓判。仕方なくアマゾンで怪しげな備長炭…はやめて、ガーデニング用のチャコールチップを購入。
小ぶりのサンセベリアをハイドロカルチャにしてみた。

ガラス容器の中はチャコールチップと水だけ。炭の黒も湿っていると溶岩石のようにもみえまる。白く見えるところは乾いたところ。このサンセベリアも、一緒に作ったポトスも全く問題なく環境に馴染んだ。

水の量はチャコールチップの高さの1/3~1/2程度。植物のグリーンと黒のコントラストもスッキリとして満足。