あお

7月、晴れた朝、アメリカ東海岸北部の空はこんな “あお”。まさに “空色”。

近所の公園。ベンチで一息つきながら空を見上げる。
あおいろ。 朝の控えめな太陽の光で爽やかな空色だ。

好きな色はあおいろ。どこにいても、どんなものも、一番に目に入るのはあおいろだ。いろいろなあおがあるが、藍や紺青などの赤みの少ない深いあおいろがより好みだ。でも好きだからといって身の回りがあおいろで埋め尽くされているわけではない。他の色の中にあってあおいろが引き立つのがいい。

夏の日差しのなか光る緑色は反対色の黄色、影となった葉は深く濃い緑色、枝は墨で引いた線、そして星条旗の赤。ゆるやかに形を変えていく薄雲のながれ。空色のグラデーションも、さながら川の流れのように形を変えてゆく。ベンチの背に頭をもたれて、いつまでも見入ってしまう。木々と星条旗は空色によって、空色は木々と星条旗によって、それぞれの色が鮮やかに際立つ。

こうしてあおいろを見ていると、ポジティブな感覚が勝ってくるのだ。