因果律

最近、深層心理学者河合隼雄の動画をYouTubeで発見。その動画のなかで『原因と結果』についての興味深いお話しがあった。

1)「マニュアル通りにすれば結果としてその機械が動く」というような「こうすればこうなる」という考え方が現代人に馴染みすぎていて人間関係においてもその方法が通用すると信じている。

2)人間関係にこの法則を当てはめる人は、自分自身はその関係の外で問題を操作しようとしている。

河合先生はこの話しの際に不登校の親を例をあげている。
不登校の子供の親はなぜ子供が学校に行かないかの原因を子供に尋ね、親に詰め寄られて答える子供の言葉から原因“らしきもの”を得てそれを排除し通学させることに懸命になる。しかし多くの場合それで不登校が治るわけではないという。親としてはマニュアル通り動かせば機能する機械のように、子供を思うように動かしたい。こうした親は、子供の不登校の原因のなかに親(自分自身)を入れずに原因を見出して機械のスイッチを押して操作するように解決しようと考えるのだそうだ。

人間は「完全に一つの世界」と河合先生。人間は文化や環境など様々な要因によってベースとなる部分に共通の考え方があったとしても、個々に独立した思考を持っている。そんな人間同士が関係する時、物を操作するように他の人間を操作、コントロールすることは不可能だ。

たしかに。今や因果律を信じすぎているかもしれない。
私はちゃんとやってるのに、なぜうまくいかないの!?
自分でストレスを増やしているようなものだ。

玉石混淆のYouTubeだが、面白いものも潜んでいる。